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  【アニメ】 映像及びアニメーション志望n生徒作品
 
  課題T  日常の中で目についたモノ、気になるモノを写真に撮り
        それを元にしてイメージを広げ作品化する。
        使用する材料は色鉛筆
 
  「作例」  蝉の脱け殻からの作画
 
   題名  大きな大きなセミ
   
 
 
 
   
   ・・・それほど都会でもなく
それほど田舎でもないところにある一本の道
 その土の下に多くのセミの幼虫たちが住んでいました
 幼虫たちは皆、夏になって立派なセミになりたいと
 夢を語り合って過ごしていました
 
 そんな幼虫たちの中にひときわ大きく立派な幼虫が
 いました。 もちろん彼は皆の中でもトップで   
 とても尊敬されていました。
 「あれだけ立派な幼虫なら、どんな素敵な成虫に
 なるだろう」  誰もが彼を見てそう言いました。
 
 いつのまにか彼は自分の立派さを自慢するように
 なっていました。 他の幼虫たちは彼が一番だと
 わかっていたので何も言わず彼の自慢話に耳を
 かたむけてくれました。
 
 刻々と時間が過ぎてゆき、とうとう夏が来ました
 われもわれもと幼虫たちが地上を目指します
 その中に一匹だけ動こうとしない幼虫がいました
 それは彼でした
 次の年の夏が来ても
 更に、次の年の夏が来ても彼は地上に向かおうと
 しませんでした。
 
 そして・・・とうとう一人ぼっちになってしまいました。
   彼はさびしくなって自分に問いつめます
 何故こんなことになってしまったのかと
 そして、気づいたのです
 新しい自分に変わることを恐れていたことに・・・
 あれだけ立派になると期待させておいて、もし普通の
 セミになってしまったら? 自分の顔がまるつぶれだ
 みんなの笑いものだ
 その気持が彼を土の下に留めていたのでした。
 それから更に時間が過ぎ、やっと決心していました
 
 「立派でも、そうでなくても成虫になろう、地上に
 出ないと何も始まらない」 彼は上へ上へと登って
 いきます。 もう迷いはありませんでした。
 
 しかし・・・、
遅すぎました
長い年月がたち、この道一帯も整備され
 コンクリートで埋められていたのです。
 
 とうとう彼は、成虫になれなかったのです。
 
 それほど都会でもなく
 それほど田舎でもない所にある一本の道
 その土の下には、今でも大きなセミの幼虫が
 眠っているといいます。
 
    おわり